実家が空き家になったら、最初にすべき3つのこと
「親が亡くなり、小豆島の実家が空き家になった。でも自分は島外に住んでいて、何から手をつければいいのかわからない」
これまで200件以上の空き家相談を受けてきた中で、こうした声は特に多く聞かれます。多くの方が感じるのは「時間が経つほど、何とかしなければという焦りだけが募る」という状態です。ここでは、実家が空き家になったときに、まず押さえておきたい3つのことをご紹介します。
相続登記を後回しにしない
「まだ売るかどうかも決めていないから、登記はそのうちで大丈夫」と考える方は少なくありません。しかし、2024年4月1日から相続登記が義務化されており、注意が必要です。
- 相続が発生したことを知った日から3年以内に登記申請をしないと、10万円以下の過料の対象になる可能性があります
- この義務化は、法改正前(2024年3月以前)に発生した相続にもさかのぼって適用されます。「何年も前に相続した実家をそのままにしている」という方も対象になります
- 遺産分割協議がまとまらず期限に間に合わない場合は、「相続人申告登記」という簡易な手続きで過料を回避できる制度もあります
登記(遺産分割協議)を先延ばしにしている間に、相続人の誰かが亡くなると、その方の相続人にさらに権利が引き継がれる「数次相続」が発生します。そうなると、同意を得るべき相続人の数が増え、疎遠な親族が交じることもあり、いざ売却・賃貸に出そうと思ったときの手続きが格段に難しくなります。売る・貸す・残すという方針が決まっていなくても、遺産分割協議と登記は早めに進めておくことをおすすめします。
※相続登記の手続きそのものは司法書士の専門分野になりますので、必要に応じて専門家をご紹介することも可能です。
家の中と外の状態を、できるだけ早く確認する
島外にお住まいの場合、実家の状態を実際に見に行く機会がなかなか取れないものです。しかし、空き家は放置期間が長くなるほど傷みが早く進みます。
確認しておきたいポイント:
- 雨漏り・湿気の状態(畳や床の傷み、カビの有無)
- 屋根や外壁の破損(台風や潮風の影響を受けやすい島の家は要注意です)
- 庭木や雑草の繁茂状況(隣家や道路への越境がないか)
- 害虫・害獣の侵入痕跡
- 貴重品や重要書類、思い出の品の有無
状態を放置して倒壊の危険や著しい景観の悪化などが認められると、自治体から「特定空家等」に指定される場合があります。指定されると、固定資産税の住宅用地特例(税負担を軽くする措置)が受けられなくなり、税額が大きく上がることがあります。まずは現状を把握することが、こうしたリスクを避ける第一歩です。
遠方でなかなか足を運べない場合は、地元の不動産事業者等に定期的な見回りや簡単な管理を依頼する方法もあります。
「どうしたいか」の方向性を、家族で話しておく
登記と現状確認と並行して考えておきたいのが、その家をどうするかという方針です。主な選択肢は次の4つです。
- 売却する:管理の負担から解放されるが、買い手が見つかるまで時間がかかることもある
- 賃貸に出す:収益化できるが、リフォーム費用や管理の手間が発生する
- 空き家のまま維持・管理する:将来の帰島や活用の可能性を残せるが、管理コストがかかり続ける
- 解体する:老朽化が激しい場合の選択肢だが、更地になると固定資産税の特例が外れ、税額が上がる点に注意が必要
どれが正解ということはなく、ご家族の状況(将来島に戻る予定があるか、他の相続人との関係、費用負担の許容度など)によって最適な選択は変わります。大切なのは、一人で抱え込まずに、家族間で方向性のすり合わせをしておくことです。
一人で悩まず、まずは相談を
「とりあえず家の状態を見てほしい」という現状確認から、「売るべきか貸すべきか迷っている」という方針のご相談、相続登記がまだ済んでいなくても、売る・貸す・残すのどれにするか決まっていなくても構いません。
島外にお住まいでなかなか小豆島まで足を運べない方には、お電話・メール・オンラインでのご相談も承っています。まずは今気になっていることを、そのままお話しいただくところから始めていただければと思います。 まずはお気軽にご相談ください。
本記事の内容は執筆時点の法令・制度に基づいています。相続登記の義務化や税制の詳細は改正される可能性がありますので、実際の手続きにあたっては法務局や司法書士、税理士などの専門家にご確認ください。
